しじみのオルニチンパワー

しじみに含まれるオルニチンとは?

昔から、お酒を飲んだ後にはしじみ汁が良い、土用しじみは腹薬……などといわれるように、庶民の健康食として親しまれてきましたしじみ。しじみにはアミノ酸やビタミン、ミネラルなどさまざまな栄養が含まれていますが、オルニチンもその一つです。

しじみに含まれるオルニチンとはどのような成分なのか? 私たちの健康にどのような効果をもたらすのか?

この記事では、しじみに含まれる健康成分“オルニチン”の働きについて、詳しく解説します。

そもそもオルニチンって何?

健康食品やサプリメントのコマーシャルなどで、オルニチンという名前を耳にしたことがある人も多いと思います。名前は知っているけれど、効果までは良く分からない……という人もいるでしょう。

オルニチンは人間の体内に存在するだけでなく、魚介類や穀物、乳製品などさまざまな食べ物にも含まれているアミノ酸の一種です。

通常、アミノ酸は互いに結合してタンパク質を作りますが、オルニチンはタンパク質にはならず血液中に溶け込み単独で全身を巡っています。こうしたアミノ酸を遊離アミノ酸といいます。

オルニチンは主に肝臓や腎臓、筋肉などに運ばれ、アンモニアの解毒やタンパク質の合成、エネルギーの産生などに関わっています。

オルニチンは遊離アミノ酸ですから、全身を巡りながらオルニチンが必要となる臓器や組織に速やかに移動し、自在に働くことができます。こうした点もオルニチンの特徴の一つです。

オルニチンは有害なアンモニアを解毒する!オルニチンサイクルについて

体内にはタンパク質などを分解する過程でアンモニアが生じます。体内で発生したアンモニアは細胞のエネルギー産生を阻害したり、肝機能を低下させたり、神経伝達を悪くさせたりするなど有害な作用をもたらします。

そのため、体内に発生したアンモニアを解毒する必要が生じます。アンモニアを解毒する代謝経路のことをオルニチンサイクル(尿素回路)といいます。

オルニチンサイクルの中ではオルニチンをはじめ、いくつかのアミノ酸などの働きにより、有毒なアンモニアを最終的には毒性の低い尿素に変換し排出します。尿素は水に溶けやすい性質があるので、排出しやすくなるのです。

アンモニアは言わば体内の産業廃棄物のようなものといえます。できる限り速やかに無毒化し排出する必要があります。その過程でオルニチンサイクルを活性化し、解毒機能を高める働きをするがオルニチンの大きな役割の一つなのです。

オルニチンの働きによって得られる効果

オルニチンはアンモニアを解毒する作用を促進することなどにより、肝細胞でのエネルギー産生を活発にしたり、疲労を回復させたりと私たちの健康に役立つさまざまな効果をもたらします。オルニチンを摂取することにより、次のような効果が得られると考えられています。

  • 肝機能を高める
  • 二日酔いの予防・改善
  • 疲労回復
  • 睡眠の改善
  • 免疫力の向上
  • 美肌(美髪)効果
  • デトックス効果 など

こうしたさまざまな効果を発揮するのは、オルニチンが遊離アミノ酸として全身を駆け巡り、それぞれの臓器や組織において必要な働きをサポートしていることも一因です。フットワークの良さもオルニチンの特徴といえるでしょう。

しじみはオルニチンの代名詞!? オルニチンを多く含む食材

オルニチンはほぼ全ての生物や植物に存在する成分です。その中でも、とりわけ多くのオルニチンが含まれる食材は魚介類の“しじみ”です。オルニチンを含む食材とその量をあげてみるとよく分かります。

【 食材100g中に含まれるオルニチンの量 】

  • しじみ……10.7~15.3mg
  • キハダマグロ……1.9~7.2mg
  • チーズ……0.76~8.74mg
  • ヒラメ……0.6~4.2mg
  • パン……0.4mg

こうした食材にはオルニチンが含まれますが、オルニチンを圧倒的に多く含む食材がしじみですから、“しじみといえばオルニチン、オルニチンといえばしじみ”というイメージにつながっているのでしょう。

また、しじみの他にもシメジやエリンギなどキノコ類にもオルニチンが多く含まれているようです。

一見するとオルニチンはアンモニアの解毒や肝機能を守ることなど地味な働きに思えるかもしれません。しかし、そうした縁の下の力持ちとして働くオルニチンによって、体全体の健康が守られているといってもいいでしょう。

昔からしじみは健康に良いといわれるのはオルニチンの働きがあってこそです。オルニチンの働きを深く理解することで、しじみを摂る意味や効果に対する実感も一層得られるはずです。

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