しじみに含まれる栄養素
しじみにはサプリメントなどで注目されている成分“オルニチン”が含まれるだけでなく、その他にもさまざまなビタミンミネラルなどを豊富に含んでいます。
この記事ではしじみに含まれるオルニチン以外の成分についてご紹介します。
しじみに含まれる成分
しじみに含まれるオルニチンといえば、肝機能の改善や二日酔いの予防、疲労回復など優れた効果があります。それだけでなく、しじみにはその他にも私たちの健康増進に役立つさまざまな栄養素が含まれています。どのような栄養素が含まれ、どのような効果があるのか見ていくことにしましょう。
鉄分(5.3mg) ※()内はしじみ可食部100gあたりに含まれる成分量
言わずと知れた体内での酸素の運搬役。不足すると貧血や疲労の症状が起こります。また、髪の健康を守る働きがあり薄毛、脱毛、白髪の予防効果もあります。
カルシウム(130mg)
骨や歯の材料となるとともに、筋肉の働きをサポートしたり、神経の興奮をコントロールする働きがあります。不足すると骨量が減少し、骨粗しょう症や骨折を起こしやすくなります。
亜鉛(2.1mg)
性のミネラルとも呼ばれ男女共に生殖器の活動や精力が向上します。また、味覚にも関わり、不足すると味覚異常が起こりやすくなります。その他にもタンパク質やDNAの合成に関わり、成長や新陳代謝を促進する働きがあります。
ビタミンB12(68.4μg)
赤血球の生成やタンパク質の合成、神経機能を維持する働きがあります。また、集中力や記憶力を向上させる効果もあります。認知症の患者はビタミンB12が不足することから、脳の活動にも影響すると考えられています。
葉酸(26μg)
ビタミンB群の一種で赤血球を作る造血作用があります。タンパク質の合成や細胞分裂にも関わるため、妊娠中の女性には特に必要とされる栄養素です。不足すると皮膚炎や肌荒れなど肌の異常を引き起こしやすくなります。特に女性には必要な栄養素といえます。
グルタミン酸(680mg)
しじみの旨み成分の一つ。アンモニアを解毒する働きや利尿作用(尿の排出を促進する働き)があり、オルニチンの解毒作用をサポートします。また、脂肪の蓄積を抑えたり、高血圧を改善したりする働きもあるため、生活習慣病の予防にもつながります。
イノシトール(30mg)
肝機能改善し、脂肪肝を予防する優れた働きがあります。血中コレステロールを代謝する働きがあり、動脈硬化の予防や血液をサラサラにする働きもあります。お酒を良く飲む人には特にお奨めしたい栄養素の一つです。
カリウム(66mg)
塩分を排出する働きがあり、高血圧の改善する効果があります。体内に溜まった余分な水分を排出する働きがあり、むくみの改善効果があります。
このように、しじみにはオルニチン以外にも健康増進に役立つさまざまな成分が含まれています。しじみは健康に良いといわれますが、実際に一つ一つの成分を明らかにすることで、しじみの豊富な栄養を理解することができますね。
しじみの美味しい調理法について
しじみには夏と冬に旬があり、土用しじみや寒しじみといわれます。旬の季節には味が良くなるだけでなく栄養価も高くなるので、時期を逃さず献立に加えると一層美味しくいただけます。
また、しじみは砂抜きをしっかりしてから食べましょう。死んだしじみと生きたしじみの見分け方は、砂抜きをする時にしじみから白っぽい舌のようなものがでていれば、生きたしじみです。それが出ていなければ死んでいます。
しじみをむき身にして使いたい場合は、お湯を沸騰させ十分に過熱すると、しじみの殻が大きく開くのでそれを爪楊枝などでつまみとれば簡単にむき身にすることができます。
しじみは出汁が良く出るので、和食だけなく洋食や中華など幅広い料理に活かせる食材です。献立のレパートリーを増やすこともしじみの栄養を摂る秘訣かもしれません。
しじみの他にオルニチンを含む食品
しじみにはオルニチンをはじめさまざまな栄養素が含まれていますが、実はしじみ以外にもオルニチンを多く含む食材があります。その食材とは“キノコ”です。
キノコの研究開発を行っているホクトによると、キノコにはしじみの5~7倍もオルニチンが含まれるとしています。
それぞれのキノコにどのくらいのオルニチンが含まれているかみていきましょう。
【 キノコ100g中に含まれるオルニチンの量 】
- ブナシメジ……140mg
- ブナピー……100mg
- 霜降りヒラタケ……50mg
- エリンギ……30mg
しじみに含まれるオルニチンの量は100gあたり、10~15mgですから、単純に計算すれば9~14倍のオルニチンが含まれることになります。
その他にもキハダマグロやチーズ、ヒラメなどにもオルニチンが多く含まれているので、しじみだけでなく色々な食材をバランス良く活用したいものですね。